「いつまでもあると思うな親と金」のことわざに学ぶ①

〜後悔は先にたたない〜

 温かく、そしてとても自分の心に支えになっていた両親が亡くなった時、非常に悲しい気持ちになりませんか?

「いつまでもあると思うな親と金」は、両親が亡くなる前に精一杯孝養を尽くすことを教えてくれており、悔いのない人生を生きるための示唆を与えてくれています。

 年末を前にご両親に感謝をして、温かい気持ちになりませんか?

 私がお勤めをしているお寺にご納骨に一組のご夫妻が来院されました。真夏だったので、周りが簡素な服装の中、そのご夫妻だけはしっかりと礼服を着られていたので、印象が深かく覚えています。

 お経を唱え終えて帰ろうとした時のこと、後ろから 「お坊さん」と呼び止める声が聞こえました。これは私を呼び止める声なのかな、と振り向くと 先ほどのご夫婦がおられたのです。

 そこで奥様が「お坊さん、今日納骨したのは私の義理の母です。今からでは考えられないかもしれませんが、読み書きができなかった私に読み書きを教えてくれたのも、この母なのです。けれども、会社が忙しくなってしまい、母を施設に預けて、ついに死に目に会うことができず、お葬式の日を迎えました。よく両親には孝養を尽くさなければいけない、と言われます。けれども、亡くなってからでも孝養を尽くすことはできるのでしょうか?」と聞かれました。

 いきなりの事で、思い悩んでいると一つのエピソードを思い出しました。それはお坊さんになるための修行道場でのことでした。修行道場の一番偉いお坊さんが私たち修行者に「お前たちよく聞いておきなさい。人は亡くなる時、だんだんと手足が動かなくなり、目も見えなくなり、話すことができなくなる。けれども、たった一つできることがあります。それは祈ることです。祈ると、自然と天地万物に心が通じるのですよ」とおっしゃられていたことを思い出したのです。

 奥様にそのままお伝えをさせていただきました。

 けれども、ご夫妻と別れた自分の中に不安がありました。それは修行道場の先生の言葉であり、自分の言葉ではなかったので、はたして本当にそういうことが起きるのだろうか、ということです。

 それからしばらくしたある日、そのご夫妻がもう一度お寺に来院されたのです。

 ご夫妻は私を見つけるなり、こちらの方に来て、私の手を取って泣き出されたのです これは大変失礼なことがあったのではないか、不安な気持ちでいっぱいになりました。

 しばらくして落ち着かれたら奥様が「お坊さん、ありがとうございました。私は生まれてから一度も、お仏壇に手を合わせるということをしてこなかったのですけれども、お坊さんに教えていただいたのでお仏壇に温かいご飯、温かいお茶をお供えして、手を合わさせてもらいました。すると、その晩のことです。夢枕にお大師様と母がニコニコしながら現れたのです。不思議なことに主人も全く同じ夢を見ておりました お坊さんは、祈ればそれが通じる世界があると教えてくれました。全くその通りだなと思いましたので、感謝を申し上げに今日このようにお尋ねさせてもらったのです。この度はありがとうございました」と教えてくださったのです。

 そのお話しを伺い、奥様に「こちらこそ尊い経験を教えいただき誠にありがとうございます。私自身も ものすごく不安で、奥様にお伝えしたことが正しかったのか、あれからずっと不安でした。やはり 教えていただいた通りだったのですね。私も勉強させていただきました」そうお伝えして、ご夫婦と別れさせてもらいました。

「いつまであると思うな親と金」からご両親の有り難さをお伝えさせて頂きました。年末を控え、尊い新年を迎える為に「親孝行」をおすすめ致します。後悔のない人生を迎える為に温かさを頂いた両親に温かい気持ちを返してみましょう。きっと「良かった」と思えますよ。

 また、すでにご両親が亡くなられた方には、ご回向をすることをおすすめ致します。

 特に高野山は昔から「天下の総菩提所」と言われ宗旨宗派に関係なく、誰でも回向が出来る場所であり、この高野山で回向すれば、功徳が多いと言われています。

 特に高野山の奥之院には、柱聯(ちゅうれん)と言って 文字を書いた大きな木の板が掛かっています。そこに、

「昼夜に萬民を愍んで普賢の悲願に住す」

 弘法大師様は私たちのことを 昼夜問わず見守って下さる、と言う意味です。

 先ほどのご夫婦のお話しではありませんが、お大師さまの温かさにおすがりすると、不思議なことが起きるのです。その奥之院では、灯明供養と言われるものがあり、気軽に誰でも亡くならたかたのご供養を出来ます。

 供養を思い立たれた方は、どうぞ、一度なさってください。

 高野山より皆さまの幸せを願っています。

 合掌

 また、仏教をお伝えしたいのですが、中々一人ではお伝え出来るのに力が足りません。でも、皆さんと繋がりたいと思っています。
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 また、高野山千手会では「新年会」を令和7年1月18日(土)に開催いたします。それに伴い午前10時から11時まで「来年の運勢と幸せになる生き方」と題して、オンライン配信をいたします。詳しくは高野山千手会公式ラインアカウントでお伝えしますので、興味のある方は同じく公式アカウント↑にご登録お願いいたします。

※質疑応答の時間を設けています。
※お坊さんの法話が聞けます。