何故、お線香を立てるの?

~良い香りで良い生活を楽しみましょう~

 今回は二つのご質問が来ていたので、それにお答えをさせて頂くものにさせて下さい。質問は、

  • 何故、お通夜では線香を絶やしてはいけないの?
  • 仏教の中でお香にはどんな効能があると説明されているのでしょうか?

と、いうものです。

 では、順番にお話ししていきます。

 何故、人が亡くなったら、またお通夜の時に線香を絶やしてはいけないのでしょうか?

 これは『阿毘達磨倶舍論(あびだるまくしゃろん)』(『大正新脩大藏經』第29巻45頁上)という書物に、人が亡くなると如何(どう)なっていくかを明らかにした部分があります。そこに「食香非久住」という一文があります。

 死んですぐの状態「中有(ちゅうう)」と呼ばれる状態では、香りを召し上がり、次の生に向かう短い期間の食事にしているのです。私たちもご飯を食べないと力が出ませんよね。亡くなった方も一緒です。力強く一歩を踏み出すために、ご飯が必須です。ただ、それが私たちならご飯ですが、亡くなった方は「香り」なのです。

 ですので「何故、お通夜の時にお線香を絶やさないか」と言えば、香りは亡き方の食事であり、栄養を沢山取ってもらうため、ずっとお香を焚いているのです。

 では次の質問、仏教の中で、お香の効能はどの様に説明されているのでしょうか。

『華厳経(けごんきょう)』(『大正新脩大藏經』第10巻361頁上、中)という書物の中に、優鉢羅華(うはつらか)という香料の商人が出てきます。そこにはお香の効能として「治諸病香、斷諸惡」とあります。

 お香は、諸々の病を治し、諸悪(修行の妨げになるもの)を断(た)つ効果があると言われています。仏さまが喜んでくれるだけでなく、自分の気持ちも爽やかにして、憂(うれ)いをなくしてくれる。お香とは本当に有り難いものです。

 更にお坊さんに伝わるお香に関する「では、どんなお香が良いのか」「お香のさらに隠れた力」ということを紹介させて下さい。

 私は先輩僧侶に「お香は仏さまが一番お喜びになるものです。ケチってはいけない。自分が出来る最良のものをお供えするようにしなさい」と教わりました。ですので、自分が出来る最高のお香をお供えするようにしています。また、科学的なものを入れていない、天然の香料で作られたものが良いと合わせて教えていただきました。

(私たちは線香も使うのですが、多いのは「抹香(まっこう)」というものを敷いて、その上でお香を焚く事です。そうすると、強く香木の薫りがそのまま、部屋に広がります)

 また、私たちは仏さまを念じる時、手に塗る「塗香(ずこう)」を用います。この時にお唱えする偈文(げもん)があります。それは以下の通りです。

「五分法身(ごぶんほっしん)を磨瑩(まよう)すと想(おも)え、戒定恵解脱解脱知見(かい・じょう・え・げだつ・げだつちけん)なり」

 この偈文の意味は、自分の中に眠っている仏さまを磨(みが)き出して、仏さまになる、と言うことです。

 お香には、自分の中に眠っているものを呼び覚まし、生き生きと活動させる隠れた力があるのです。

 良い香りの中、仏さまと共に温かく楽しく過ごしたいものですね。

 さらに具体的にお香の銘柄や仏さまの喜ばれるお香については、高野山千手会公式ラインアカウント↓に登録の上、お伺いください。皆さまが良い香りに包まれながら、より良い生活が送れます事を願っています。

https://lin.ee/WW7ydJb

 また、高野山千手会では、令和6年10月26日(土)午前10時から11時まで、仏教の勉強会「明日から話したくなる身近な仏教用語」と題してオンライン、オフラインハイブリッド配信をいたします。詳しくは高野山千手会公式ラインアカウントでお伝えしますので、興味のある方は同じく公式アカウント↑にご登録下さい。
※質疑応答の時間有り

※お香の事も直接お答えさせて頂きます。どうぞ、勉強会にご参加ください。

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