悲しむ人がいた時にあなたに出来ることは?

~優しいあなたにしか出来ないこと~

 よく質問されることに「悲しんでいる人がいるのに、自分は何をしてよいか分からない。何かできることはないでしょうか」と聞かれます。

 このご質問を聞く度に、問われた方の崇高な人格、人間の素晴らしさに自然と手が合わされます。

 私がお答えするのは「そばにいてあげて下さい。さらにできるのであれば、お話しを聞いて(うなず)いてあげて頂きたい」とお伝えしています。

 昔を思い出して下さい。何か嫌なことがあって家に帰って来ると、お母さんが貴方の気持ちを察して、自然とギュッと抱きしめてくれませんでしたか。私はこれ以上に心温まることはないと思います。

 昔の高野山のお坊さまに「(どう)(はん)」という高徳な方がおられました。ある時にお弟子さんが「修行しても修行しても雑念が湧いて、どうしようもない、道範さま、どうしたら良いでしょうか」と真摯なご質問をされました。道範さまはこのご質問に対して「まことにしかるべく(そうろう)(全くその通りなのだよ)」と書いて、手紙を始めています。

 苦しんでいる方に更に苦しめる様なことを言っても、その方は気持ちが楽になることはありません。逆に、ギュッと抱きしめてもらう。苦しみを認めていただけると、どれほどにその方は救われることでしょうか。

 優しい貴方の近くに涙を流されている方が居られましたら、是非、実践をしていただきたいとお願いいたします。

 では、次に仏さまはあなたのこの行動をどのように思われるでしょうか?

 私たち真言宗の僧侶が読む御経に『理趣経』というものがあります。その中で、この世の中に住む人たちに優しい手を差し伸べることは、仏さまへお布施(供養)することであり、非常に仏さまがお喜びになる、と記されています。

「お布施」と言えば、僧侶に金銭を渡すことと、錯覚していますが、そうではありません。物がなくてもあなたの優しさはしっかりと仏さまへのお布施になっているのです。

 仏さまは貴方の事をしっかりと見守られています。必ず、あなたが仏さまに預けたお布施をあなたに何倍にもして返してくれるでしょう。皆さまの幸せを祈念しています。

 

 仏教に興味のある方、もっと仏さまのことを知りたい方は千手会まで「お問い合わせ」でご質問ください。

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